◎即席禁電席◎
ゲストの思いやりから生まれたお席の話。
禁電席?なんじゃそりゃ。
すぐにわかるよ。
少し前の話し。
ぼちぼち満席になりつつあるなぁ、って感じの夕食時。初老のご夫婦を、禁煙テーブル席にご案内しました。
オーダーを頂こうとお席に近づくと、別の席へ移動なさりたい、とのこと。
???
何か不都合があったか尋ねると。
心臓のペースメーカーを使用しているため、近くでケータイを使用してない席にしてほしい、と。
なるほろ。確かに隣の席で今、ケータイ鳴りました。
しかし。ピーク時です。初めてのお席指定パターンに戸惑いました。だって。いまどき難しいでしょ?ケータイを携帯してないヒトだけのスペースを作るって。
上司に相談しました。
結果。
お客さまに多少の待ち時間を了解してもらえるなら、即席禁電スペースを作ってみよう。ということに。
まず、このお客さまの席を決めて、その席を空席のままキープします。
次に、その席と隣り合わせる3席のお客さまに声をかけます。
『これこれこういう事情なのですが、お食事をなさる間、ケータイの電源を落として頂けないでしょうか。』
幸いにも、了承を頂けて。
このご夫婦は、無事食卓に付くことに。
さて、次です。
このご夫婦が席を立たれるまで、隣り合わせる席に新しくご案内するお客さまに、その都度忘れずに、このお願いをしなくてはなりません。
協力してくださったお客さまの優しさで、この、即席禁電席、は実現しました。関わったスタッフの、デリカシーへの配慮上手なこともあって、表向きが大げさになることもなかったし。
とてもほっとしたと同時に、有り難いなぁ、って気持ちで少し胸があったかくなりました。
余談ですが。
遠くない未来に。
NOケータイ席あります。みたいなレストランが誕生したりするのかしら、なんてことも思ってみたり。
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